本論文では、大規模並列CMA-ESアルゴリズムの高速化手法を提案している。
まず、CMA-ESの線形代数演算にBLAS/LAPACKルーチンを導入することで、大幅な高速化を実現した。特に、共分散行列の更新と標本生成の部分で大きな高速化効果が得られた。
次に、CMA-ESの集団サイズを段階的に増加させるIPOP-CMA-ESアルゴリズムに着目し、大規模並列環境で効率的に実行するための2つの並列化戦略を提案した。
1つ目の戦略は、集団サイズを段階的に増加させながら、各段階の並列実行を行うものである。2つ目の戦略は、異なる集団サイズの並列実行を同時に行うものである。
これらの2つの並列化戦略をFugakuスーパーコンピュータ上で実装・評価した結果、2つ目の戦略が高い並列化効果を発揮し、最大で数千倍の高速化を達成できることを示した。
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