本論文は、動作品質評価(AQA)の課題に取り組むための新しい手法であるCoFInAlを提案している。AQAは、スポーツや医療分野などで人間の動作の質を定量的に評価する重要な課題である。
従来のAQA手法は、大規模な動作認識データセットから事前学習されたバックボーンを利用することで性能向上を図ってきた。しかし、動作認識タスクとAQAタスクの間のドメインシフトや、小規模なAQAデータセットでの過学習の問題が課題となっていた。
CoFInAlは、AQAタスクを粗い評価と細かい評価の階層的な分類問題として定式化することで、事前学習されたタスクとの整合性を取る新しい手法である。具体的には以下の2つのステップから成る:
粗い評価: 動作の品質を複数のグレードに分類する。グレードプロトタイプを学習し、動作の特徴とグレードプロトタイプの類似度に基づいて粗い評価を行う。
細かい評価: 同じグレード内の動作の微妙な違いを捉えるため、固定のサブグレードプロトタイプ(簡単ETF行列)を用いた細かい分類を行う。
実験結果では、CoFInAlが従来手法と比べて大幅な性能向上を示し、リズミックジムナスティクスデータセットで5.49%、フィギュアスケーティングデータセットで3.55%の相関係数の向上を達成した。また、個々の設計要素の有効性も検証されている。
CoFInAlは、事前学習タスクとの整合性を取ることで、ドメインシフトと過学習の問題を効果的に解決し、AQAの性能を大幅に向上させることができる。
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