本論文では、QEDと呼ばれる新しい検証手法を提案する。QEDは、メモリ一貫性モデル(MCM)の検証に焦点を当てている。
まず、QEDは、MCMによって課される部分順序関係で直接接続されたメモリ命令のペアのみを考慮する。これにより、メモリ命令の数に依存せずにスケーラブルな検証が可能になる。
次に、QEDは、外部イベントの発生元ではなく、コア内の命令との順序関係のみを考慮する。これにより、コアの数に依存せずにスケーラブルな検証が可能になる。
QEDは、観察可能性に基づいた検証手法を提案する。再順序化された命令の実行結果が、MCMに準拠した順序で実行した場合と同じ値を生成できる場合、その再順序化は許容される。そうでない場合、MCM違反と判断する。
QEDは、まず、メモリ命令のペアと外部イベントの全ての組み合わせを網羅的に探索し、決定木を生成する。次に、RTL実装に対してこの決定木を評価することで、MCM準拠性を検証する。
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