ミラノ市の中世刑事判決集「Libri sententiarum potestatis Mediolani」は、1385年から1429年にかけての約3,000件の判決を収録した重要な史料である。本論文では、その最初の巻である1385年分の126件の判決を収録したLiMeデータセットを紹介する。
LiMeデータセットは、専門家による詳細な注釈が施されている。各文書には、人物、場所、日付、物品などの固有表現が同定され、それらの関係性も定義されている。また、判決文は段落ごとに分割され、各段落の役割(告発、審理、判決理由、判決内容など)が注釈されている。
このようなデータセットの構築により、中世ミラノの司法制度と社会構造について、統計分析やテキストマイニングなどの手法を用いて詳細に分析することが可能となる。例えば、犯罪の種類や判決の傾向、被告人と被害者の性別分布などを把握できる。また、機械学習モデルの訓練にも活用できる。
今後は、LiMeデータセットの対象範囲を拡大し、より包括的な中世ミラノの司法史料を構築していく予定である。
Till ett annat språk
från källinnehåll
arxiv.org
Djupare frågor