Centrala begrepp
提案手法は、既存の損失関数の限界を克服するために、尺度と位置の感度性を持つ新しい損失関数を提案する。また、単純な構造のマルチスケールヘッドをU-Netに導入することで、既存の手法を大幅に上回る検出性能を実現する。
Sammanfattning
本研究では、赤外線小型ターゲット検出(IRSTD)の性能向上に焦点を当てている。従来のDL手法は複雑なモデル構造の設計に注力してきたが、損失関数の設計は十分に検討されていなかった。
具体的には、一般的に使用されているIoU損失やDice損失は、ターゲットのスケールと位置に対する感度が低いという問題がある。これにより、検出器がターゲットのスケールや位置の違いを十分に区別できず、検出性能が制限されていた。
そこで本研究では、まず新しい尺度と位置の感度性を持つ損失関数(SLS損失)を提案する。SLS損失は以下の2つの特徴を持つ:
- スケール感度性: 予測スケールと真値スケールの差に応じて重み付けを行い、異なるスケールのターゲットに適切な注意を払う。
- 位置感度性: 予測中心点と真値中心点の誤差に基づいたペナルティ項を導入し、ターゲットの位置を精度良く検出できるようにする。
次に、単純なマルチスケールヘッドをU-Netに導入したMSHNetを提案する。MSHNetは異なるスケールの特徴マップから複数の予測を生成し、SLS損失をそれぞれの予測に適用することで、全体としての検出性能を向上させる。
実験の結果、提案手法MSHNetは既存の最先端手法と比べて大幅に優れた検出性能を示した。また、複雑な構造を持たないにもかかわらず、検出性能、演算量、推論時間のバランスが良いことが確認された。さらに、提案のSLS損失を他の既存検出器に適用しても性能が向上したことから、SLS損失の有効性と汎用性が示された。
Statistik
赤外線小型ターゲットの検出では、ターゲットの面積が小さいほど検出が困難になる。
MSHNetは、小さなターゲット(0-10ピクセル)に対してIoU 49.51%、Pd 95.24%、Fa 20.68×10^-6を達成した。
一方、大きなターゲット(40ピクセル以上)に対してはIoU 79.20%、Pd 96.97%、Fa 11.02×10^-6と高い性能を示した。
Citat
"提案手法は、既存の損失関数の限界を克服するために、尺度と位置の感度性を持つ新しい損失関数を提案する。"
"MSHNetは異なるスケールの特徴マップから複数の予測を生成し、SLS損失をそれぞれの予測に適用することで、全体としての検出性能を向上させる。"