本論文では、ETAP シミュレーションソフトウェアを使用して、将来の船舶ハイブリッド化に向けて適応可能な2つの電力システムモデルを提示した。
1つ目のモデルはAC主バスバーに基づいており、ケーブル敷設船を参考にしている。時間領域解析では、ピークカットと動的位置保持(DP)モードを検討し、インバータの機能を確認した。短絡電流計算では、IEC 61363 規格に基づいて理論計算と シミュレーション結果を比較した。保護協調では、選択的な遮断を実現するための対策を検討した。
2つ目のモデルはDC主バスバーに基づいており、スーパーヨットを参考にしている。時間領域解析では、ETAP の制限により十分な検討ができなかった。短絡電流計算では、IEC 61660 規格に基づいて検討し、バッテリーとコンバータの寄与を考慮した。保護協調では、DC系統の選択的遮断に向けて、ヒューズの特性に基づいた対策を検討した。
全体として、両モデルともに実船を参考にしており、ハイブリッド船の設計・分析に活用できる。今後の課題としては、より詳細なモデル化や、ソフトウェアの機能拡張などが挙げられる。
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