本研究では、音楽ジャンルと楽器に関する階層的オントロジーを利用して三項組を生成し、6つの一般目的の変換器ベースモデルの音楽知識を定量的に評価しました。
結果として以下の3つの課題が明らかになりました:
プロンプトに対する感度: 異なるプロンプトを使用した場合、モデルの精度にばらつきが見られました。特に大規模なモデルほど感度が高い傾向にありました。
否定表現のモデル化の困難さ: 否定表現を含む三項組の精度は、ランダムレベルを下回りました。これは、事前学習言語モデルが否定表現をうまくモデル化できていないことを示しています。
特定の単語の存在に対する感度: 楽器名やジャンル名のラベルを定義に置き換えると精度が向上しましたが、ラベルを除いた定義のみでは精度が低下しました。これは、モデルが単語の存在に敏感であり、文脈を十分に活用できていないことを示唆しています。
これらの課題に対処するため、データ拡張やマルチタスク学習などの手法を検討する必要があります。また、より詳細な音楽オントロジーを利用することで、モデルの音楽知識をより正確に評価できると考えられます。
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