Centrala begrepp
室温で動作する通信波長帯の単一光子源を用いることで、量子鍵配送の 実用化に向けた重要な一歩となる、安定した偏光符号化量子鍵配送が 実現可能である。
Sammanfattning
室温動作する単一光子源を用いた量子鍵配送
本論文は、窒化ガリウム(GaN)欠陥に基づく室温動作する通信波長帯単一光子源を用いた、偏光符号化BB84量子鍵配送の実証に関する研究論文である。
本研究の目的は、従来の量子鍵配送システムにおける課題であった、単一光子源の低温動作の必要性や波長変換の複雑さを克服し、室温で動作する通信波長帯の単一光子源を用いることで、より実用的な量子鍵配送システムを実現することである。
本研究では、GaN欠陥に基づく単一光子源を用いて、偏光状態を量子ビットとして符号化するBB84プロトコルを実装した量子鍵配送システムを構築した。実験は、3.5kmの敷設光ファイバループと、より低分散な32.5kmの光ファイバースプールを用いて行われた。偏光モード分散(PMD)の影響を最小限に抑えるため、送信する偏光状態を適切に選択する手法を採用した。