แนวคิดหลัก
SP-VIOは、状態変換モデルと姿勢のみの視覚記述を用いることで、従来のフィルタベースVIOの精度不足問題を克服し、高精度、高効率、ロバスト性を兼ね備えた新しいVIOアルゴリズムである。
บทคัดย่อ
SP-VIO: 状態変換モデルと姿勢のみの視覚記述を用いた、ロバストかつ効率的なフィルタベースのビジュアルイナーシャルオドメトリ
本論文は、状態変換モデルと姿勢のみの視覚記述を用いた、ロバストかつ効率的なフィルタベースのビジュアルイナーシャルオドメトリ(VIO)アルゴリズム、SP-VIOを提案する。
背景
VIO技術は、モバイルロボットの自律ナビゲーションにおいて広く用いられている。VIOアルゴリズムは、大きく最適化ベースとフィルタベースの2種類に分類される。フィルタベースVIOは、計算効率が高くメモリ要件が小さいため、小型でペイロードに制約のある組み込みシステムでの応用が期待されている。しかし、最適化ベースVIOに比べて精度が低いという問題点があり、適用範囲が制限されている。
問題点
フィルタベースVIOの精度が低い主な原因は、線形化誤差の蓄積である。特に、代表的なフィルタベースVIOであるMSCKFでは、視覚残差モデルで用いられる3次元特徴量が、システムの姿勢と共同で最適化されずに3次元再構成プロセスのみで取得されるため、線形化誤差が蓄積しやすく、ナビゲーション精度が低下しやすい。
提案手法
本論文では、フィルタベースVIOの線形化誤差に対する感受性を解決するために、状態変換と姿勢のみVIO(SP-VIO)を提案する。
1. 姿勢のみの測定モデル
PO理論に基づき、画素座標と相対姿勢のみで表現される視覚残差モデルを導出する。このモデルは、3次元特徴量から切り離されているため、3次元再構成プロセスの影響を受けずに精度を維持できる。
2. ダブル状態変換カルマンフィルタ(DST-EKF)
速度誤差状態と位置誤差状態をより厳密に定義することで、VIOシステムのロバスト性と一貫性を向上させる。
3. DST-RTSバックトラッキングスムージング
ループクロージャに依存しないDST-RTSバックトラッキングスムージング戦略を提案する。この戦略は、視覚観測が回復した後にVIOシステムから提供される速度情報を使用して、RTSバックトラッキングによって移動軌跡を修正し、視覚的な中断によって引き起こされる累積誤差を低減する。
実験結果
公開されているデータセット(EuRoC、Tum VI、Kitti Odometry)と個人データセットを用いて、SP-VIOの性能を評価した。実験の結果、SP-VIOは、最先端のVIOアルゴリズムよりも高い精度とロバスト性を持ち、視覚的に不利な条件下でも優れた性能を発揮することが示された。
สถิติ
SP-VIOは、新しい観測モデルとシステムモデルを使用することで、それぞれ25.84%と18.31%のローカライズ精度が向上した。
2つの新しいモデルを同時に使用した場合、性能向上は最大で33.75%に達した。