本論文では、ディファレンシャルプライバシー(DP)とメカニズムの全変動(TV)を組み合わせた新しい枠組みを提案している。
主な内容は以下の通り:
(ε, δ)-DPとη-TVを同時に考慮した場合の適応的な合成結果を導出した。この結果は、DPのみを考慮した場合に比べて大幅に改善された保証を与える。
(ε, δ)-DPとη-TVが部分サンプリングに対して閉じていることを示した。
一般的な状況下での漸近的な振る舞いを解析し、中心極限定理のような結果を得た。
一般的に使われるメカニズム(ラプラス、ガウス、階段型)のTVを計算し、提案手法の有効性を示した。
差分プライバシー付きのランダム勾配降下法(DP-SGD)の分析に提案手法を適用し、従来手法に比べて大幅に改善された保証を得た。
ローカルプライバシー設定においても、DPとTVを同時に考慮することで、より精密な解析と柔軟な設計が可能になることを示した。
全体として、ディファレンシャルプライバシーとメカニズムの全変動を組み合わせることで、プライバシー保護メカニズムの設計と分析が大幅に改善されることが示された。
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