核心概念
SMS スパムの最新動向を分析し、プライバシーを保護しつつ攻撃に強いSMS スパム検知システムを提案する。
摘要
本研究では、SMS スパムの最新動向を分析するためのSpamDamフレームワークを提案している。SpamDamは4つのモジュールから構成されている:
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SMS スパムレーダー(SpamRadar): オンラインソーシャルネットワーク(OSN)上のスパム報告投稿を収集し、SMS スパムメッセージを特定する。これにより、過去5年間で76,577件の最新のSMS スパムメッセージを収集することができた。
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SMS スパム検査官: 収集したSMS スパムメッセージの統計分析を行い、スパムの規模、カテゴリ、時間的推移などを明らかにした。
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SMS スパム検知器(SSD): 中央集中型学習と連邦学習の両方を用いて、高精度のバイナリおよびマルチラベルのSMS スパム検知モデルを構築した。
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SSD分析器: SMS スパム検知モデルの攻撃に対する頑健性を徹底的に評価し、現実的な攻撃に対する脆弱性を明らかにした。
本研究の主な成果は以下の通りである:
- 過去5年間の最新のSMS スパムデータセットを構築し、スパムの時間的推移、言語分布、カテゴリ分布などを明らかにした。
- 多言語対応のバイナリおよびマルチラベルのSMS スパム検知モデルを構築し、最高99.53%の検知精度を達成した。
- 連邦学習を用いてプライバシーを保護しつつ高精度のSMS スパム検知モデルを構築できることを実証した。
- SMS スパム検知モデルが現実的な敵対的攻撃に対して脆弱であることを明らかにし、その対策の重要性を示した。
統計資料
SMS スパムメッセージは過去5年間で76,577件収集された。
Twitter上では36,668件、Weibo上では39,909件のSMS スパムメッセージが収集された。
SMS スパムメッセージは54の言語にわたって分布しており、英語(35%)、インドネシア語(26%)、スペイン語(20%)が主要な言語である。
Weibo上のSMS スパムメッセージの95.94%が中国語であった。
引述
"SMS スパムメッセージは、Eメールチャネルの開封率が20%に対し、90%以上の高い開封率を持つ。"
"2020年第3四半期のNorth Americaにおけるsmishingの報告件数は、前四半期比で328%増加した。"
"2022年にはセキュリティベンダーが中国の携帯ユーザーに対して90億件のSMS スパムをブロックした。"