本研究では、BarraCUDAと呼ばれる新しい攻撃手法を提案している。この手法は、一般目的のGPUを対象とし、Nvidia Jetsonデバイスで実行されている深層学習ネットワークのパラメータを抽出することができる。
BarraCUDAの攻撃は、畳み込み演算が部分和の連続計算として実行されることに着目している。これらの部分和は、1つまたは少数のパラメータに依存している。相関電磁分析を使ってこれらの部分和を利用することで、実世界の畳み込みニューラルネットワークのパラメータを回復することができる。
著者らは、Jetson Nano及びJetson Orin Nanoデバイスを対象に、畳み込み層とデンス層のパラメータを抽出することに成功した。FP16精度の重みの場合、Jetson Nanoでは最大20M個の痕跡が必要であり、INT8精度の重みの場合、Jetson Orin Nanoでは平均300K個の痕跡で十分であった。バッチサイズを大きくすることで、必要な痕跡数を減らすことができる。
本研究の成果は、GPUを搭載したエッジデバイスが深層学習モデルのパラメータを漏洩する可能性があることを示している。物理アクセスを持つ攻撃者は、これらのデバイスから重要な知的財産を抽出できる可能性がある。
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