核心概念
ドローンの動的群れや隊列における安全性と協調のための基本的な通信パターンであるビーコニングを活用し、ビーコンペイロードに変数の作成、更新、削除の情報を含めることで、ドローン間で変数の一貫した共有を実現するプロトコルを提案する。
摘要
本論文では、ドローンの動的群れや隊列における安全性と協調のための通信プロトコルスタック「DCP」を提案する。DCPの中核をなすのは、「VarDis」プロトコルである。VarDisは、ドローンの位置、速度、方位などの情報を含むビーコンを活用し、ドローン間で変数の作成、更新、削除を迅速かつ信頼性高く共有することを目的としている。
VarDisの主な特徴は以下の通り:
- ビーコンにペイロードとして変数の操作命令(作成、更新、削除)を含める
- 各ノードは受信した変数操作命令を一定回数ビーコンに繰り返し含める
- 変数の最新状態を把握できていないノードは、隣接ノードに更新を要求できる
- 変数の概要をビーコンに含めることで、欠落している変数を検知し要求できる
シミュレーション評価の結果、VarDisは高い信頼性と低遅延の変数共有を実現できることが示された。特に、ビーコン送信頻度を高くし、変数操作命令の繰り返し回数を適切に設定することで、良好な性能が得られることが分かった。
統計資料
ビーコン送信間隔は平均10秒、変数の長さは12バイトである。
ノード数が17の場合、リンクパケット誤り率が20%のときの変数更新の平均シーケンス番号ギャップは約1.6、50%のときは約1.5、80%のときは約7.5である。