核心概念
イベントトリガー型制御を用いると、時間トリガー型制御と比べて平均トリガー率を低減できる一方で、一貫性を失う可能性がある。この問題は分散型の設定では特に顕著になる。
摘要
本論文では、単一積分器コンセンサスの問題設定において、イベントトリガー型制御(ETC)と時間トリガー型制御(TTC)の性能を比較分析する。性能指標として長期平均二乗偏差を用いる。
まず、局所コントローラが利用できる情報に応じて2つの場合を検討する。
- 局所コントローラがブロードキャスト情報のみを利用する場合
- この場合、最適なETCスキームはTTCに対して一貫性を持つことを示す。
- 具体的には、平均トリガー率が等しければ、ETCの性能はTTCの1/3になることを解析的に導出する。
- 局所コントローラがブロードキャスト情報に加えてトリガー時の局所状態も利用できる場合
- この場合、以前一貫性を持っていたETCスキームが一貫性を失うことを示す。
- 情報を拡張することで性能は向上するが、一貫性が失われる。
これらの結果から、分散型問題設定においてETCの一貫性を保証するのは容易ではないことが分かる。情報構造の違いが、[4]と[18]の相反する結果を生み出した根本原因であることを明らかにした。
統計資料
エージェント数nが十分に大きい場合、時間トリガー型制御の方がイベントトリガー型制御よりも性能が良い。
エージェント数nが大きくなるほど、時間トリガー型制御の性能がイベントトリガー型制御を上回る。
引述
"イベントトリガー型制御を用いると、時間トリガー型制御と比べて平均トリガー率を低減できる一方で、一貫性を失う可能性がある。"
"情報を拡張することで性能は向上するが、一貫性が失われる。"