核心概念
本論文は、状態と入力の制約を受ける線形システムに対して、L1適応制御を用いて不確定性を推定・補償し、その性能限界を利用してモデル予測制御の制約を厳しくすることで、ロバストな制御性能を実現する手法を提案する。
摘要
本論文では、状態と入力の制約を受ける線形システムに対して、ロバストな適応型モデル予測制御(UC-MPC)を提案している。
- システムには、マッチングされた非線形不確定性と非マッチングされた不確定性が存在する。
- L1適応制御を用いて、マッチングされた不確定性を推定・補償し、実システムと公称システムの状態・入力誤差の一様な上界を得る。
- この上界を利用して、公称システムの制約を厳しくし、モデル予測制御を設計する。
- シミュレーション結果から、提案手法がロバスト性と制御性能の両立を実現できることを示している。
統計資料
状態方程式の不確定性項f(t,x)の各要素fj(t,x)に関する上界Lfj,Z、lfj,Z、bfj,Zが存在する。
非マッチングされた不確定性w(t)の上界bwが存在する。
引述
"本論文は、状態と入力の制約を受ける線形システムに対して、L1適応制御を用いて不確定性を推定・補償し、その性能限界を利用してモデル予測制御の制約を厳しくすることで、ロバストな制御性能を実現する手法を提案する。"
"提案手法は、既存の堅牢MPC解決策[4]-[10]と比較して、不確定性の積極的な補償により、より良い追従性能を実現できる。"
"提案手法は、パラメータ構造を必要としない時間変動かつ状態依存の広範な不確定性を扱えるが、既存の適応MPC手法[12]-[15]は主にパラメータ不確定性のみを扱える。"