核心概念
ユーザーはハイブリッドエディタを大幅に好み、条件の意味を理解するためにはハイブリッドエディタの方が自信がある。一方で、順序付けられたモデル要素のリストを分析する場合はツリーエディタの方が優れた性能を示す。ただし、複雑な条件の理解や作成には、ハイブリッドエディタの方が優れている。
摘要
本研究では、ツリー型モデルエディタとハイブリッド・グラフィカル・テキストモデルエディタの長所と短所を評価するための実証的ユーザー調査を行った。22人の参加者が、ロボットシステムのシミュレーションテストを定義するドメイン固有言語(DSL)を使用して、両方のエディタを使ってタスクを実行した。
理解タスク(U1-U5)では、以下の知見が得られた:
- U1: 特定の値を持つモデル要素を見つける際、ハイブリッドエディタの方がわずかに優れている。
- U2: 条件の意味を理解する際、ハイブリッドエディタの方が圧倒的に優れている。
- U3: 順序付けられたモデル要素のリストを探索・分析する際、ツリーエディタの方が優れている。
- U4: 要素間の関係性を見つける際、両エディタに大きな差はない。
- U5: 特定の基準を満たす要素を見つける際、ハイブリッドエディタの方が優れている。
モデリングタスク(M1-M5)では、以下の知見が得られた:
- M1-M2: 両エディタに大きな性能差はない。
- M3: 既存の条件を変更する際、ハイブリッドエディタの方が優れている。
- M4: 参照を変更する際、両エディタに大きな差はない。
- M5: 条件をゼロから定義する際、ハイブリッドエディタの方が優れている。
全体として、ユーザーはハイブリッドエディタを大幅に好み、条件の意味理解においても自信を持っている。一方で、順序付けられたモデル要素のリストの分析にはツリーエディタが優れ、複雑な条件の理解や作成にはハイブリッドエディタが優れている。
統計資料
ツリーエディタを使った場合の平均所要時間が、ハイブリッドエディタを使った場合より315.95秒長かった。
ツリーエディタを使った場合の平均クリック数が、ハイブリッドエディタを使った場合より24.32回多かった。
ツリーエディタを使った場合の平均キーストローク数が、ハイブリッドエディタを使った場合より32.55回少なかった。
引述
"ユーザーはハイブリッドエディタを大幅に好み、条件の意味を理解するためにはハイブリッドエディタの方が自信がある。"
"一方で、順序付けられたモデル要素のリストを分析する場合はツリーエディタの方が優れた性能を示す。ただし、複雑な条件の理解や作成には、ハイブリッドエディタの方が優れている。"