核心概念
差分シミュレーションを使って、オブジェクトの状態を観察するだけで、垂直方向の流体エミッターを制御してオブジェクトを移動させることができる。
摘要
本研究では、垂直方向の流体エミッターを用いてオブジェクトを操作する方法を提案している。差分シミュレーションを活用し、ニューラルネットワークコントローラを訓練することで、オブジェクトの状態(位置、速度)を観察するだけで、オブジェクトを目的の位置に移動させることができる。
具体的には以下のような実験を行っている:
- オブジェクトを所定の位置に保持する
- オブジェクトを目的の位置に移動させる
- 2つのオブジェクトを独立に制御する
これらの実験では、外部の撹乱(風)に対しても頑健な制御が可能であることを示している。また、エミッターの流体消費量を抑えつつ、良好な制御性能を維持することもできる。
本手法は、オブジェクトの状態を観察するだけで制御が可能なため、実世界のデバイスへの応用が期待できる。ただし、シミュレーションと実世界の差異への対処など、課題も残されている。
統計資料
オブジェクトを所定の位置に保持する実験では、ほとんどの軌跡が目標位置から5単位以内に収まっている。
外部撹乱(風)がある場合、目標位置からの距離の中央値は6.7単位となる。
オブジェクトを目的の位置に移動させる実験では、ほとんどの場合目標位置から5単位以内に到達し、軌跡の長さは直線距離から5%以内に収まる。
外部撹乱がある場合、目標位置からの距離の中央値は6.7単位、軌跡の長さは直線距離から14.4%以内となる。
2つのオブジェクトを独立に制御する実験では、軌跡の長さは直線距離から平均7.8%以内に収まる。