核心概念
本研究は、正確な足圧と接触情報を備えた大規模かつ高速な人体運動のマルチモーダルデータセットを提案し、その活用方法を示す。
摘要
本研究は、正確な足圧と接触情報を備えた大規模かつ高速な人体運動のマルチモーダルデータセット「MMVP」を提案している。従来のデータセットでは、視覚情報のみから接触情報を推定していたため、精度が低く粒度が粗かった。MMVPでは、高精度な圧力センサを用いて正確な足圧と接触情報を取得している。
データセットの特徴は以下の通り:
- 大規模かつ高速な人体運動を含む
- 正確で詳細な足圧と接触情報を提供する
- RGB-Dビデオと圧力信号を同期して収録している
本研究では、MMVPデータセットを活用した2つの手法を提案している:
- RGBD-P SMPL fitting: 深度情報と圧力情報を活用して、より正確な人体モデルの姿勢と形状を推定する手法
- VP-MoCap: 単眼RGB動画から足圧と接触情報を推定し、それを活用して安定した人体運動推定を行う手法
実験の結果、提案手法は従来手法に比べて、足部の動きや全体の並進推定の精度が大幅に向上することが示された。本データセットとベースラインは、人体運動キャプチャの研究を大きく前進させると期待される。
統計資料
人体の足部接触点と地面との距離が0.043m以下の場合に接触ありと判定している。
人体の足部接触点と地面との距離の平均値は7.968cm。
人体の足部接触点と地面との距離の平均誤差は9.348cm。
人体の足部接触点と地面との接触F1スコアは0.518。
人体の足部接触点と地面との接触IoUは0.507。
引述
"足部接触は人体運動キャプチャにとって重要な手がかりであり、運動理解や物理的に整合性の高い運動生成にも役立つ。"
"既存のマルチモーダルデータセットは主に小範囲で緩やかな動作(太極拳やヨガ)を対象としているが、大範囲で高速な人体運動を含むデータセットは不足している。"