本研究では、SN2 反応経路の触媒的制御について報告している。SN2 反応は有機化学の中心的な反応機構の1つであるが、イオン性 SN2 反応の触媒的制御は非常に稀である。これは、触媒とイオン対の間の静電的相互作用が反応性を減少させるためである。
しかし、ハロゲン化酵素は、ハロゲン化物求核剤を脱溶媒化し、SN2 軌道上に正確に位置付けることで、この問題を回避している。本研究では、小分子の水素結合供与体触媒が、同様の幾何学的前組織化の原理を利用することで、SN2 反応の速度決定段階を加速できることを示した。
機構的および計算化学的な検討の結果、この触媒は塩化物求核剤の反応性を低下させるものの、リン酸エステルカチオンと塩化物アニオンを SN2 遷移状態に適した幾何学的配置に再編成することで、全体としての反応速度を加速していることが明らかになった。
この新しい不斉アルブゾフ反応は、高い不斉収率で P 不斉化合物を合成できる新しいプラットフォームを提供する。これは、リン酸エステル脱アルキル化段階の触媒的不斉制御の初めての例である。
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by Gabriel J. L... 於 www.nature.com 07-18-2024
https://www.nature.com/articles/s41586-024-07811-4深入探究