核心概念
大規模言語モデルを用いて、患者の電子カルテ情報と臨床試験の参加基準を自動的に照合し、適切な臨床試験を特定することができる。
摘要
本研究では、患者の電子カルテ情報と臨床試験の参加基準を大規模言語モデルを用いて自動的に照合し、適切な臨床試験を特定するシステム「PRISM」を提案している。
主な特徴は以下の通り:
- 構造化データだけでなく、診療記録などの非構造化データも活用することで、より包括的な患者情報を活用できる。
- 独自に開発した細分化された質問形式と論理的な評価方法により、参加基準の解釈精度を向上させている。
- GPT-4などの大規模言語モデルと比較して、パラメータ数が小さい独自モデル「OncoLLM」を開発し、コスト面でも優位性を示している。
- 医師の判断と同等の精度を達成しており、実用化に向けた有望な結果を示している。
今後の課題としては、構造化データとの統合、リトリーバーの精度向上、アノテーションプロセスの標準化などが挙げられる。これらの改善により、臨床試験への患者登録プロセスの効率化に大きく貢献できると期待される。
統計資料
患者の電子カルテには平均49~283件の診療記録が含まれている
臨床試験の参加基準は平均10,000件以上の多様な基準から構成されている
引述
"臨床試験は医学の進歩、患者ケアの向上、医療イノベーションに不可欠である。"
"ただし、患者登録の課題は深刻で、成人がんの臨床試験に参加するのはわずか7%にすぎない。"
"患者の電子カルテ情報と臨床試験の参加基準を自動的に照合することで、この課題に取り組むことができる。"