核心概念
コロニー形成単位(CFU)は細菌負荷を定量化する標準的な方法であるが、感度が低く、in vitroでの培養性に依存するという欠点がある。本研究では、オステオサイト様細胞モデルと臨床骨検体を用いて、CFUと細菌ゲノムコピー数の不一致を示し、細菌負荷の定量化に改善されたワークフローを提供する。
摘要
本研究では、細菌/宿主細胞の相互作用を調べるために、オステオサイト様細胞モデルと臨床骨検体を用いた。
- CFUは細菌負荷を定量化する標準的な方法だが、感度が低く、in vitroでの培養性に依存するという欠点がある。
- 直接溶解法と デジタルドロップレットPCR(ddPCR)を組み合わせることで、迅速かつ正確な細菌負荷の定量化が可能となった。
- in vitro実験では、CFUと細菌ゲノムコピー数の間に最大106倍の差が見られた。これは、理想的な微生物培養条件と細胞内環境の違いによるものと考えられる。
- 臨床検体では、培養陰性の3症例から、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌が検出され、104-106個/百万ヒトゲノムコピーの細菌負荷が定量された。
- 本ワークフローは、迅速な病原体同定と定量化を可能にし、臨床診断への応用が期待される。
統計資料
SaOS2-OYにおけるSK2とSK3の細菌数は、CFU計測では103-106倍減少したが、ddPCRでは維持された。
低MOIでは、SK2とSK3感染群のヒトゲノムコピー数に有意差はなかった。高MOIでは、1日目と5日目でそれぞれ約30%、50%減少した。
3つの培養陰性PJI症例の骨組織から、S. haemolyticus、S. hominis、S. epidermidisが検出され、104-106個/百万ヒトゲノムコピーの細菌負荷が定量された。
引述
"CFU plating method should not be omitted as it allows the evaluation of bacterial phenotypic adaptation in such experimentation."
"For the purposes of unknown pathogen diagnosis in clinical cases, the exact bacterial species readout is required from sequencing the generated amplicons."