核心概念
本研究では、理論解の スプライン近似と積分公式を組み合わせた新しい数値解法を提案する。この手法は高次の近似精度を持ち、安定性の解析も行う。
摘要
本研究では、初期値問題に対する数値解法として、スプライン関数を用いた新しい手法を提案している。
まず、理論解をスプライン関数で近似し、その積分表現を利用してスプライン積分演算子(SIO)を定義する。SIOは固定点を持ち、その固定点が理論解の高次近似となることを示す。
次に、SIOの安定性を線形微分方程式の解析から明らかにする。SIOは、同じ近似次数のテイラー法に比べ、より広い安定領域を持つことが分かる。
最後に、いくつかの数値例を通して、提案手法の有効性を確認する。特に、積分を解析的に計算できる場合と数値積分を用いる場合の両方について検討している。提案手法は、同じ近似次数のテイラー法に比べ、より高精度な近似解を得られることが示される。
統計資料
y'(t) = -y(t) + t + 2, y(0) = 2の解の絶対誤差:
t = 0.1のとき、T2(t-h,t)の誤差は1.63×10^-4、T4(t-h,t)の誤差は8.20×10^-8、SIO(4)の誤差は1.97×10^-8
t = 0.2のとき、T2(t-h,t)の誤差は2.94×10^-4、T4(t-h,t)の誤差は1.48×10^-7、SIO(4)の誤差は3.56×10^-8
y'(t) = y^2, y(0) = 1の解の絶対誤差:
t = 0.1のとき、T2(t-h,t)の誤差は1.11×10^-3、T4(t-h,t)の誤差は1.11×10^-5、SIO(4)の誤差は1.35×10^-6
t = 0.2のとき、T2(t-h,t)の誤差は3.11×10^-3、T4(t-h,t)の誤差は3.52×10^-5、SIO(4)の誤差は4.34×10^-6