本研究では、非線形カルマンフィルタの新しいフレームワークを提案した。従来のフレームワークでは、状態予測時に非線形測定関数を近似し、その近似関数に基づいてカルマンゲインを最適化する。しかし、状態更新後は予測状態から大きく離れている可能性があり、この近似が不正確になる。その結果、推定分散が過小評価されてしまう。
新しいフレームワークでは、状態更新後に再び測定関数の近似を行い、更新後の状態に基づいてカルマンゲインの効果を正確に評価する。これにより、推定分散が過小評価されることを防ぐことができる。
シミュレーション結果から、新しいフレームワークを用いると、従来のフレームワークに比べて、低雑音条件下で状態推定誤差を1桁以上改善できることが示された。また、収束速度も向上した。計算時間は10-90%増加するが、推定精度の大幅な向上を考えると、その増加は許容範囲と言える。
本研究の成果は、将来的により高精度なセンサが使用されるようになった際に、非線形カルマンフィルタの性能をさらに向上させることができると期待される。
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