核心概念
忘却ポリシーの適用によって生じる推論強度の変化を、モデル数カウントに基づく損失関数と確率に基づく損失関数を用いて定量的に測定する。
摘要
本論文では、知識表現における忘却の技術が強力で有用な知識工学ツールであることが示されているが、異なる忘却ポリシーや忘却演算子の使用が元の理論の推論強度にどのような影響を及ぼすかについては、これまでほとんど研究されていない。
本論文の目的は、モデル数カウントと確率理論からの直感に基づいて、推論強度の変化を測定するための損失関数を定義することである。そのような損失関数の性質を研究し、PROBLOGを使用して損失関数を計算するための実用的な知識工学ツールを提案する。
具体的には以下の手順で進める:
- 命題理論の場合、任意の命題論理式をストラティファイドロジックプログラムに変換する手法を示す。
- 命題変数を確率変数として扱い、PROBLOGを使ってワールドの確率分布を定義する。
- PROBLOGのクエリ機能を使って、元の理論Tの確率P(T)を計算する。
- 強忘却と弱忘却の2つの演算子を用いて、忘却ポリシー¯pに関する2次理論F_NC(T;¯p)とF_SC(T;¯p)を定義する。
- 量化子消去の手法を適用して、¯pを含まない命題理論に変換する。
- 手順1-3を適用して、各理論の確率P(F_NC(T;¯p))とP(F_SC(T;¯p))を計算する。
- これらの確率値を用いて、強忘却と弱忘却に関する推論強度の損失値を計算する。
さらに、1階論理の場合への一般化も示される。
本論文の主な貢献は以下の通りである:
- 忘却に関するモデル数カウントベースと確率ベースの損失関数の形式的な定義と性質の分析
- 任意の命題論理式または1階論理式を等価変換によりストラティファイドロジックプログラムに変換する手法
- PROBLOGを用いた損失関数の計算アルゴリズム
統計資料
jcar→(car∧reliable∧fcar)
ecar→(car∧fast∧fcar)
fcar→(ecar∨jcar)