核心概念
離散位相シフタを使用した場合、追加のグレーティングローブが発生し、メインローブにも影響があるが、低解像度の位相シフタでも連続位相シフタと同等のビームパターンと通信性能を達成できる。
摘要
本論文では、極超大規模アンテナアレイ(XL-アレイ)を用いた近距離通信システムにおいて、離散位相シフタの影響を分析している。
まず、離散位相シフタを使用した場合のビームパターンを効率的に解析するために、フーリエ級数展開法を提案している。この手法により、離散位相シフタによって生じる以下の特性を明らかにした:
- 追加のグレーティングローブが発生する
- メインローブはビーム集束効果を維持し、位相シフタ解像度の増加とともにビーム電力が増加する
- ビーム集束効果を持つグレーティングローブと、ビームステアリング効果を持つグレーティングローブの2種類が存在する
数値結果から、グレーティングローブによる干渉がシステムの通信性能を劣化させることが示された。一方で、3ビットの低解像度位相シフタでも連続位相シフタと同等のビームパターンと通信性能を達成でき、大幅な消費電力の削減が可能であることが明らかになった。
統計資料
ビーム集束効果を持つグレーティングローブの最大値は、(2B/π)sin(π/2B)で与えられる。
ビームステアリング効果を持つグレーティングローブの電力は、アンテナ数Nと位相シフタ解像度Bの増加とともに減少する。
引述
"離散位相シフタを使用した場合、追加のグレーティングローブが発生し、メインローブにも影響がある。"
"低解像度の3ビット位相シフタでも、連続位相シフタと同等のビームパターンと通信性能を達成できる。"