核心概念
小型回転変圧器では、漏れインダクタンスと磁化インダクタンスの大きさが近いため、変圧比と巻数比が一致しないという問題があり、本稿では、高精度な磁気モデルと変圧比調整方法を提案することで、この問題解決に取り組んでいる。
摘要
小型回転変圧器における変圧比調整方法論:論文要約
本論文は、小型回転変圧器における、これまで見過ごされてきた重要な問題、すなわち変圧比と巻数比の不一致について論じています。この問題は、小型変圧器において、漏れインダクタンスと磁化インダクタンスの大きさが非常に近くなるために発生します。従来の設計では、変圧比と巻数比を同一視していましたが、この仮定は大型変圧器でのみ有効です。
回転変圧器(RT)は、二重給電誘導発電機や巻線回転子同期機、レゾルバなど、回転子励磁を備えた回転機械において、固定子側と回転子側の間でエネルギーとデータを伝送する信頼性の高い手段として注目されています。従来のブラシとスリップリングによる励磁方式と比較して、回転変圧器は、摩擦損失の低減、メンテナンスコストの削減、設置サイズの小型化などの利点があります。しかし、回転変圧器では、固定子側と回転子側の間にエアギャップが存在するため、漏れインダクタンスが大きくなり、磁化インダクタンスが小さくなるという問題があります。
従来の回転変圧器の設計では、変圧比と巻数比を同一視していました。しかし、小型回転変圧器では、漏れインダクタンスと磁化インダクタンスの大きさが非常に近くなるため、変圧比と巻数比が一致しなくなります。この不一致は、変圧器の設計精度に悪影響を及ぼし、共振回路の誤計算、損失レベルの誤解、電圧ゲインの誤認につながる可能性があります。