本研究の目的は以下の2点である:
まず、RIS支援無線通信システムのチャネルを多ポートネットワークとしてモデル化する手法を説明した。この手法では、送受信アンテナ、RIS、および環境中の散乱体を等価回路で表現し、それらの相互インピーダンスに基づいてエンドツーエンドのチャネル行列を導出する。
次に、PEECシミュレータを用いた数値解析手法を示した。PEECは電界積分方程式に基づく回路モデルで、複雑な構造の電磁界特性を精度良く記述できる。本研究では、送受信アンテナ、RIS、および散乱体をPEECモデルで表現し、システム全体のインピーダンス行列を計算した。
最後に、両手法による数値結果を比較した。まず、RISの終端インピーダンスを最適化せずに固定した場合の伝送特性を示した。次に、RISの終端インピーダンスを最適化した場合の伝送特性を示した。両手法の結果は良好に一致しており、提案の多ポートネットワークモデルの有効性と、PEECシミュレータの適用性が確認された。
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