核心概念
ユーザーの定期的な視聴行動パターンを活用することで、活動駆動型の音楽視聴を効果的にモデル化できる。
摘要
本研究では、PACEと呼ばれる新しいユーザー埋め込み手法を提案している。PACEは、ユーザーの音楽視聴履歴を週単位の時系列データとして表現し、定期的な視聴パターンを捉えることで、ユーザーの特徴を表すベクトルを生成する。
具体的には、以下の4つのチャンネルを用いてユーザー履歴をエンコーディングする:
- Volume: 視聴回数の時間的変動
- Repetition: 同一楽曲の繰り返し視聴
- Organicity: ユーザー自発的な視聴か推薦による視聴か
- Liked: ユーザーのお気に入り楽曲の視聴
これらの時系列データをもとに、典型的な視聴パターンを表す「アトム」を学習し、ユーザーをそれらのアトムの線形和で表現する。
提案手法の有効性を検証するため、ユーザーが音楽を聴きながら行う活動(起床時、運動時、通勤時など)の予測タスクを行った。結果、PACEによる埋め込みは、ユーザーの活動駆動型視聴行動を良好に捉えられることが示された。特に、定期性の高い活動(就寝前、通勤時など)の予測精度が高かった。一方で、不定期な活動(運動時)の予測は課題が残った。
本研究の貢献は以下の2点:
- 定期的な視聴パターンに着目したユーザー埋め込み手法PACEの提案
- 活動駆動型視聴行動の予測タスクを通じた、PACEの有効性の検証
統計資料
週単位の視聴回数の変動パターンは、ユーザーの活動に強く関連している
定期的な活動(就寝前、通勤時など)を行うユーザーの視聴パターンは、PACEによって良好に捉えられる
不定期な活動(運動時)を行うユーザーの視聴パターンは、PACEでは十分に捉えられない
引述
"音楽視聴の文脈は音楽推薦システムの分野で広く研究されているが、ユーザーの定期的な行動パターンの統合は多くの場合省略されている。"
"定期的な視聴行動パターンを活用することで、活動駆動型の音楽視聴を効果的にモデル化できる可能性がある。"