核心概念
ポイントクラウドの3Dオブジェクト分類の精度を向上させるために、既に計算されている近傍点の距離と方向ベクトルを追加の近傍特徴として使用する。
摘要
本論文では、ポイントクラウドの3Dオブジェクト分類の精度を向上させるために、既に計算されている近傍点の距離と方向ベクトルを追加の近傍特徴として使用することを提案している。
具体的には以下の3つの手法を提案している:
- 近傍点までの距離を半径で正規化した値を追加の近傍特徴として使用する。
- 近傍点からアンカー点への方向ベクトルを半径で正規化した値を追加の近傍特徴として使用する。
- 同一の学習セッションで保存された最良のチェックポイントの重みを平均化することで、テスト精度を向上させる。
これらの手法を、合成データセットのModelNet40、実世界データセットのScanObjectNNおよび3DGrocery100で評価した結果、PointNeXtモデルの精度が大幅に向上することを示した。特に実世界データセットでの精度向上が顕著で、ScanObjectNNの最も困難なバリアントで0.5%、3DGrocery100のApple10、Fruits、Vegetables、Packagesサブセットでそれぞれ1%、4.8%、3.4%、1.6%の精度向上を達成した。
また、追加の近傍特徴を使用することによる計算コストの増加は非常に小さいことも示した。
統計資料
PointNeXtモデルにおいて、ScanObjectNNデータセットの最も困難なバリアントでの全体精度は88.6%、平均精度は87.4%であった。
ModelNet40データセットでのPointNeXtモデルの全体精度は93.5%、平均精度は91.0%であった。
3DGrocery100データセットのApple10、Fruits、Vegetables、PackagesサブセットでのPointNeXtモデルの全体精度はそれぞれ22.6%、45.4%、51.8%、83.0%であった。