本研究では、AuRuバイメタル合金触媒を用いた大気圧下でのアンモニア合成反応を報告している。
まず、Au含有量の異なる3種類のAuRu合金(AuRu0.1、AuRu0.2、AuRu0.3)を合成し、その光学特性と触媒活性を評価した。AuRu0.2触媒が最も高い量子収率(~0.12%)を示し、熱触媒反応に比べて低温でも高い反応性を発現した。
in-situ赤外分光(DRIFTS)測定により、光照射下ではNHxおよびNH3中間体の濃度が増加するのに対し、加熱のみでは中間体濃度が非単調に変化することが明らかになった。これは、プラズモン誘起の熱電子が窒素種の水素化と脱離を促進するためと考えられる。
量子化学計算の結果、N2の直接解離には高い活性化障壁(~6 eV)が必要なのに対し、H2の助けによる解離では1 eVまで低減できることが示された。可視光照射によりこの活性化障壁を克服できるため、光照射下でアンモニア合成が促進されると結論付けられる。
以上より、プラズモン誘起の非熱的効果、特に熱電子による窒素種の水素化と脱離の促進が、大気圧下でのアンモニア合成を可能にする鍵となることが明らかになった。
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