核心概念
ロボットの共感能力が高いほど、利用者はそのロボットに対して心的状態を帰属する傾向がある。
摘要
本研究は、ロボットの共感能力に対する利用者の認知と、ロボットに心的状態を帰属する度合いの関係を調査することを目的としている。
実験では、成人と子供/若者の2つの年齢層の被験者を対象に、共感的な行動を示すロボットと無感情なロボットとの対話を行わせ、その後に共感に関する自己評価と心的状態の帰属に関する質問紙への回答を求めた。
結果、成人の被験者では、共感的なロボットと対話した群の方が、ロボットに対してより多くの心的状態を帰属する傾向が見られた。一方、子供/若者の被験者では、ロボットの共感能力の有無による差は見られなかった。
これらの結果は、ロボットの共感能力が高いほど、特に成人の利用者がそのロボットに心的状態を帰属する傾向にあることを示唆している。今後のロボット開発においては、共感性の実現が重要な課題となることが示唆された。
統計資料
実験群の成人被験者は、ロボットの心的状態の認知において、統制群に比べて有意に高い得点を示した。
(T-test:
認知的次元 p=0.01
感情的次元 p<0.000001
欲求・意図次元 p=0.001
想像力次元 p<0.000001
知覚次元 p=0.0003)
引述
"ロボットの共感能力が高いほど、特に成人の利用者がそのロボットに心的状態を帰属する傾向にある"
"ロボットの共感性の実現が今後の重要な課題となることが示唆された"