核心概念
本稿では、複数の時系列データから、構造変化のタイミングが共通するものを同じグループとしてクラスタリングする新しいモデルベースの手法を提案する。
摘要
共通の構造変化を持つ時系列データのモデルベースクラスタリング
本稿では、複数の時系列データから、構造変化のタイミングが共通するものを同じグループとしてクラスタリングする新しいモデルベースの手法を提案する。従来の時系列データクラスタリング手法は、局所的な類似性に基づいてグループ化するものが多かった。しかし、本稿では、局所的な挙動は異なっていても、構造変化のタイミングが同じであれば、同じグループに属すると考える。
提案手法では、各時系列データに対して、潜在変数として時間順序を導入する。時間順序は、時系列データを複数のブロックに分割し、各ブロック内ではデータが同じ挙動を示すと仮定する。そして、異なる時系列データ間で、同じ時間順序を共有するものを同じグループとしてクラスタリングする。
具体的には、以下のような階層的なモデルを構築する。
各時系列データは、時間順序と、各ブロック内でのデータの挙動を規定するパラメータによって生成されると仮定する。
時間順序は、ディリクレ過程などのノンパラメトリックベイズモデルを用いて推定する。
各ブロック内でのデータの挙動を規定するパラメータは、最尤推定法やベイズ推定法を用いて推定する。