核心概念
次数dのフェルマー曲面上に存在する互いに交わらない直線の最大数は、dが4以上の偶数または5と異なる奇数の場合は3d本、d=5の場合は13本である。
摘要
次数dのフェルマー曲面は、複素射影空間において3d^2本の直線を持つことがよく知られています。本論文では、次数dが4以上のフェルマー曲面上に存在する互いに交わらない直線の最大数を調べ、dが4以上の偶数または5と異なる奇数の場合は3d本、d=5の場合は13本であることを示しました。
まず、フェルマー曲面上の直線の集合を、互いに交わるかどうかで分類し、各クラスにおける互いに交わらない直線の最大数を調べました。次に、異なるクラスに属する直線間の交差条件を解析することで、フェルマー曲面全体における互いに交わらない直線の最大数を決定しました。
その結果、dが4以上の偶数の場合は、容易に3d本の互いに交わらない直線を持つ族を構成することができました。一方、dが奇数の場合は、d=5の場合を除いて、やはり3d本の互いに交わらない直線を持つ族が存在することが分かりました。d=5の場合は、13本の互いに交わらない直線を持つ族を構成できましたが、14本以上の互いに交わらない直線を持つ族は存在しないことを証明しました。
統計資料
次数dのフェルマー曲面は3d^2本の直線を持つ。
Schurの4次曲面は64本の直線を持つ。
次数4の滑らかな曲面が持つ直線の最大数は64本である。
Bauer-Ramsの上限によれば、次数dの滑らかな曲面が持つ直線の最大数は11d^2-30d+18本である。
Miyaokaの上限によれば、次数d (d≧4) の滑らかな曲面が持つ互いに交わらない直線の最大数は2d(d-2)本である。
次数3, 4, 6の滑らかな曲面が持つ互いに交わらない直線の最大数は、それぞれ6, 16, 48本である。
引述
“Let us note that the Fermat surface Fd, i.e., the surface with 3d2 lines (the largest number known so far for d ̸= 4, 6, 8, 12, 20), contains no family of 3d pairwise disjoint lines”