本研究では、様々な動物サーベコウイルスのスパイクタンパク質について詳細に解析を行った。その結果、以下のような知見が得られた:
多くのサーベコウイルスのスパイクタンパク質はヒトやアライグマなどの動物のACE2受容体を利用して細胞侵入する。特に、アライグマのACE2受容体は広範なサーベコウイルスに対する受容体活性を示した。
一部のサーベコウイルスのスパイクタンパク質は、トリプシン処理によってACE2非依存的な細胞侵入が可能になる。この経路は受容結合ドメイン(RBD)によって制御される。
TMPRSS2関連の細胞プロテアーゼの発現は、トリプシン処理と同様にACE2非依存的な細胞侵入を可能にする。これらのプロテアーゼは呼吸器上皮に発現しており、サーベコウイルスの呼吸器への侵入を促進する可能性がある。
4回のCOVID-19ワクチン接種により誘導された抗体は、解析したすべてのサーベコウイルスのスパイクタンパク質駆動の細胞侵入を中和した。しかし、ACE2非依存的かつトリプシン依存的な侵入経路を利用するウイルスは、抗体介在性中和に対する感受性が低下した。
以上の結果から、動物サーベコウイルスの一部は、ACE2非依存的かつプロテアーゼ依存的な細胞侵入経路を利用することで、抗体介在性中和から逃れる可能性が示された。この知見は、ワクチンや治療法の開発において重要な示唆を与えるものと考えられる。
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by Zhang,L., Ch... 在 www.biorxiv.org 04-18-2024
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