Parisha Joshi and Daljit Singh J. Dhillon. 2024. Practical and Accurate Re-
construction of an Illuminant’s Spectral Power Distribution for Inverse
Rendering Pipelines. In Proceedings of 15th Indian Conference on Computer
Vision, Graphics and Image Processing (ICVGIP’24). ACM, New York, NY,
USA, 3 pages. https://doi.org/10.1145/nnnnnnn.nnnnnnn
本研究は、逆レンダリングパイプラインにおいて、高価な分光計を使用せずに、一般的な光源の分光分布(SPD)を正確に再構成する、シンプルで費用対効果の高い手法を提案することを目的とする。
本研究では、回折コンパクトディスク(CD-ROM)を回折素子として使用し、既知の光源と一連の既知の透過カラーフィルターを用いてカメラで撮影した画像から、機械学習を用いてSPDを推定する手法を提案する。具体的には、まず、様々なSPDで照らされたCD-ROMの画像を生成し、それらの画像とSPDのペアのデータセットを作成する。次に、このデータセットを用いて、多層パーセプトロン(MLP)ネットワークを学習させ、画像からSPDを回帰するモデルを構築する。学習済みのMLPモデルを用いることで、未知の光源で照らされたCD-ROMの画像から、その光源のSPDを推定することができる。
シミュレーション環境および実世界の限られた例を用いた実験の結果、提案手法は、分光計を用いて測定したSPDと比較して、高い精度でSPDを再構成できることが示された。また、再構成されたSPDを用いた分光レンダリングの結果は、実測値を用いたレンダリング結果と視覚的に遜色がなく、提案手法の有効性が確認された。
本研究で提案された手法は、高価な分光計を用いることなく、一般的な光源のSPDを、シンプルかつ低コストで正確に再構成することを可能にする。これにより、より多くの人々が、高精度な分光レンダリングを利用できるようになることが期待される。
本研究は、逆レンダリングパイプラインにおける光源推定において、低コストで実用的なソリューションを提供するものであり、特に、構造色のレンダリングや仮想環境におけるリアルな照明の実現に貢献するものである。
現段階では、提案手法はスポットライトのみに対応しており、また、実世界の多様な光源に対する評価は限定的である。今後の研究として、様々な種類の光源や、より複雑な照明環境にも対応できるよう、手法を拡張していくことが考えられる。
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