本論文では、ソリトンオートマトンに関する様々な決定性概念が定義されている。
まず、単一ソリトンの場合と同様に、多波ソリトンオートマトンにおいても決定性と強決定性が定義されている。決定性は、各状態と入力に対して遷移先が一意に定まることを意味し、強決定性は、各状態と入力に対して遷移経路が高々一つに定まることを意味する。
さらに、完全決定性という概念が導入されている。これは、決定性と強決定性の中間的な性質を持つもので、各状態と入力に対して完全な遷移経路が高々一つに定まることを意味する。
また、非決定性の度合いを表す指標として、非決定性の度合いが定義されている。これは、各状態と入力に対する遷移先の数の上限を表す指標であり、この指標が有限であることが示されている。
さらに、ソリトングラフの構造と決定性の関係が調べられている。単一ソリトンの場合と同様に、ソリトングラフが木構造であれば強決定的であることが示されている。一方で、チェストナと呼ばれる特殊な構造のソリトングラフは、単一ソリトンの場合は強決定的であるが、多波ソリトンの場合は完全決定的ではないことが明らかにされている。
以上のように、本論文では多波ソリトンオートマトンにおける決定性の概念が詳細に検討されており、ソリトンオートマトンの記述的複雑性を理解する上で重要な知見が得られている。
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