核心概念
軽度自律性コルチゾール分泌(MACS)患者に対する副腎摘出術は、骨密度には影響しないが、骨の質を改善する可能性がある。
摘要
本研究は、軽度自律性コルチゾール分泌(MACS)患者41名と健常者31名を対象に、副腎摘出術の前後で骨密度と骨の質の変化を評価したものである。
結果は以下の通り:
- 副腎摘出術後、MACS患者群では脊椎の trabecular bone score(TBS)が有意に改善したが、骨密度には変化がなかった。
- 一方、健常者群では骨密度、TBSともに変化がなかった。
- 前腕の骨密度は両群で低下したが、MACS患者群の低下が有意に大きかった。
これらの結果から、MACSではコルチゾール過剰が骨密度よりも骨の質に大きな影響を及ぼすことが示唆された。骨密度検査だけでは、MACS患者の骨折リスクを適切に評価できない可能性がある。TBSの測定が、MACS患者の骨評価に有用と考えられる。
ただし、本研究には保存的治療群がなく、長期的な骨折率の評価も行われていないため、さらなる大規模研究が必要とされる。
统计
MACS患者群の脊椎TBSは、副腎摘出術後に平均0.037改善した(p=0.015)。
健常者群のTBSは変化しなかった(平均-0.004, p=0.644)。
両群で前腕骨密度は低下したが、MACS患者群の低下が有意に大きかった(-0.034g/cm vs -0.018g/cm, p<0.001)。
大腿骨、大腿骨頸部、脊椎L1-L4の骨密度は両群で変化がなかった。
引用
"Considering that improvement in TBS was not mirrored by improvement in bone density, our findings suggest that MACS impacts bone quality more than bone density, and bone density may not identify patients at risk for fractures due to MACS."
"If a patient has a bad TBS and not terrible bone density, should they be offered adrenalectomy? I don't think so just based on this study. But I do think if they extend the number of patients and their outcomes or another center validates [the findings] then that could be an additional factor where these patients could be offered surgery even if they don't have dyslipidemia or dysglycemia."