本論文では、交通計画分野で提唱されているアクセシビリティの概念を情報検索の文脈に適用し、ドキュメントのアクセシビリティを測定する手法を提案している。
情報検索では、ユーザのクエリに対して、システムがドキュメントを検索・提示する。ドキュメントのアクセシビリティとは、ある情報検索システムにおいて、ドキュメントが検索される可能性の度合いを表す指標である。
具体的には、累積的機会アプローチと重力ベースアプローチの2つの測定手法を提案している。前者は、ユーザが上位n件のドキュメントまでアクセスする際のドキュメントの出現回数を測る。後者は、ドキュメントの順位に応じて重み付けを行い、ドキュメントのアクセシビリティを算出する。
これらの指標を用いることで、情報検索システムの設計、管理、調整に役立てることができる。例えば、特定のドキュメントグループが極端に高いアクセシビリティを示す場合、システムの偏りを検出できる。一方で、ほとんどアクセスされないドキュメントが存在する場合、それらを管理する必要があるかどうかを検討できる。
このように、アクセシビリティの概念を情報検索に導入することで、従来の効率性や有効性の指標とは異なる視点から、情報検索システムの分析と改善につなげることができる。
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