本論文では、フレッドホルム第二種積分方程式の解法として、ワッサーシュタイン勾配流を用いる手法を提案している。
まず、正則化された目的関数を定義し、その最小化問題を考える。この目的関数は、積分方程式の解に対するKullback-Leibler divergenceと、参照分布に対するKullback-Leibler divergenceの和で構成される。
次に、この目的関数のワッサーシュタイン勾配流を導出し、対応するMcKean-Vlasov型確率微分方程式を導出する。この確率微分方程式の定常分布が、積分方程式の正則化された解に対応する。
さらに、この確率微分方程式を粒子系によって近似し、離散時間スキームを提案する。理論的な誤差解析を行い、粒子数と時間離散化ステップの選択に関するガイドラインを示す。
最後に、いくつかの数値実験を通して、提案手法の有効性を示している。特に、従来手法では扱いが困難な無限領域上の問題に対しても、良好な結果が得られることを確認している。
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