本研究では、センチネル2号衛星の低解像度RGB画像を2倍の解像度に高解像度化する手法を検討した。
まず、代表的な地域の航空写真と対応するセンチネル2号衛星画像からデータセットを作成した。データセットの作成にあたっては、時間的な整合性や雲の影響の排除など、慎重な前処理を行った。
次に、畳み込みニューラルネットワークベースの手法(SRCNN、SRResNet)と生成的対抗ネットワークベースの手法(ESRGAN、Real-ESRGAN)を適用し、画質評価を行った。
その結果、畳み込みニューラルネットワークベースの手法は概して良好な結果を示したものの、画像がぼやけがちであった。一方、生成的対抗ネットワークベースの手法は、特に人間の知覚に基づく評価指標(LPIPS)において優れた性能を示し、高解像度かつ詳細な画像を生成できることが明らかになった。
今後は、解像度向上の倍率を2倍から4倍に高めるとともに、近赤外バンドの活用など、さらなる高度化を目指す予定である。また、高解像度化された画像の実用性を検証するため、土地利用/被覆分類などの応用分野での評価も行う。
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