本研究では、天文学画像の解析における主要な課題の1つである、観測装置のポイントスプレッド関数(PSF)と大気の影響による画像のぼやけを解決するために、畳み込みオートエンコーダを用いた簡単なニューラルネットワークアプローチを提案している。
まず、入力画像を、元の画像、PSFで畳み込んだ画像、PSFの逆畳み込み画像、PSFの逆畳み込みに1アークセカンドのガウシアンフィルタを適用した画像の3種類の組み合わせで構成したデータキューブを作成する。このデータキューブを入力として、畳み込みオートエンコーダネットワークを訓練する。
ネットワークの出力は、PSFの影響を除去し、元の画像の形状を回復したものとなる。実験の結果、この手法は、低SNR領域でも細かな構造を正確に復元できることが示された。また、位置、フラックス、楕円率、サイズなどの天文学的に重要な量についても、真値との差が小さく、PSFとの相関も低いことが確認された。
さらに、ブランク画像(天体のない画像)の検出精度も高く、全体的に良好な性能が得られた。この手法は、計算コストも低く、実用的な天文学画像解析に適用できると考えられる。
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