本研究では、膜リン脂質のポリ不飽和化がドパミンD2受容体(D2R)の作動薬誘導性内在化を選択的に抑制することを明らかにした。
HEK293細胞にD2Rを発現させ、ω3系脂肪酸のDHAやω6系脂肪酸のDPAで膜を富化すると、ドパミンやキンピロールによるD2Rの内在化が著しく減少した。一方、別のクラスAGタンパク質共役受容体であるβ2アドレナリン受容体(β2AR)の内在化や、クラスリン依存性エンドサイトーシスの指標であるトランスフェリン受容体の取り込みは影響を受けなかった。
TIRF顕微鏡観察により、膜ポリ不飽和化はD2Rのクラスター形成には影響しないものの、β-アレスチン2の受容体への集積を強く抑制し、エンドサイトーシス小胞の形成を遅延させることが明らかになった。
以上より、膜リン脂質のポリ不飽和化がD2Rの細胞内トラフィッキングを選択的に制御することが示された。この知見は、精神疾患における膜脂質組成の変化とドパミン伝達の関係を理解する上で重要である。
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by Perrais,D., ... 在 www.biorxiv.org 12-16-2023
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