本論文では、対照的な要約の自動評価メトリック「CASPR」を提案している。対照的な要約とは、2つのエンティティ(例えば、ホテルA、ホテルB)に関する比較的な意見を要約したものである。
CASPRの特徴は以下の通り:
要約を単一の主張文に分解する。これにより、文間の論理関係を自然言語推論モデルで分析しやすくなる。
各文の組み合わせについて、双方向の推論関係(矛盾、含意、中立)を分析する。
文レベルの推論関係のスコアを集計して、要約全体の対照性スコアを算出する。
実験では、既存の指標であるDistinctiveness Score(DS)やBERTScoreの逆数(BS-1)と比較して、CASPRが対照性をより適切に捉えられることを示した。特に、論理的な否定を含む高対照データセットにおいて、CASPRは理想的な高スコアを示したのに対し、DSやBS-1は低下してしまった。
CASPRは、単語の重複や意味的類似性だけでなく、文間の論理関係も考慮できるため、対照的な要約の評価に適している。今後は、より強力な言語モデルを使用することで、さらに精度を高められると考えられる。
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