本論文は、5G NR V2X 側リンク通信におけるリソース割当の課題について検討している。
5G NR V2Xの側リンク通信では、Mode 2(a)と呼ばれる自律的なリソース割当方式が用いられる。しかし、この方式ではヒドンノード問題により、パケット衝突が発生する可能性がある。
そこで本論文では、ノード間でリソース占有状況の情報を共有する協調的なリソース割当方式を提案している。具体的には、各ノードが前回の送信時に検知したリソース占有状況を、自身の送信時のSCIに含めて通知する。これにより、ノード間の認知範囲が広がり、ヒドンノード問題による衝突を軽減できる。
シミュレーション評価の結果、提案方式はMode 2(a)に比べて、パケット受信率が大幅に向上することが示された。一方で、共有する情報量の増加によるオーバーヘッドの影響など、課題も指摘されている。
今後は、提案方式の詳細な特性評価や、3GPPで検討されているMode 2(b)~(d)との関係性の整理などが必要とされる。
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