本研究では、連続非単調DR-劣モジュラ最大化問題を扱う。
まず、非単調な場合の定常点の近似比が任意に悪くなることを示す。具体的には、正規カバー関数の多重線形拡張を用いた例を構築し、定常点の値と最適解の値の比が0に収束することを示した。これは、単調な場合の1/2近似とは対照的である。
次に、定常点の近似比を改善するため、制約領域を縮小した上で定常点の性質を解析した。その結果、制約領域を
[0, (3-√5)/2]nに縮小すると、定常点の近似比が0.309-O(ε)になることを示した。この結果は、Chekuri et al. (2014)の離散領域での制限付き局所探索アルゴリズムと同じ近似比を連続領域で達成できることを意味する。
最後に、Lyapunovアプローチを用いて、0.385の近似比を持つ改良版Frank-Wolfeアルゴリズムを提案した。このアルゴリズムは、Buchbinder and Feldman (2019)の離散領域でのアルゴリズムを連続領域に拡張したものである。提案アルゴリズムの分析では、多重線形拡張やLovász拡張に依存せず、DR-劣モジュラ性のみを用いている。これにより、アルゴリズムのパラメータチューニングの自由度が高まり、より良い近似比が得られる可能性がある。
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