本論文では、電気機械スイッチング装置(ソレノイド弁、コンタクタ、リレーなど)の性能向上を目的とした繰り返し実行(Run-to-Run)フィードフォワード制御アルゴリズムの収束速度を改善する手法を提案している。
まず、システムの動特性をモデル化し、微分平坦性に基づいたフィードフォワード制御則を導出している。次に、実際の装置の特性と制御モデルの差異を補償するため、パターン探索アルゴリズムを用いた繰り返し実行適応制御手法を適用している。
しかし、この手法には収束が遅いという課題がある。そこで本研究では、制御則の各パラメータに対する感度情報を利用して、探索空間の次元を削減する2つの手法を提案している。
1つ目の手法は、感度の大きさに基づいて重要度の低いパラメータを固定し、探索対象を絞り込むものである。2つ目の手法は、感度情報に基づいて制御則のパラメータを直交座標系に変換し、より効率的な探索を行うものである。
シミュレーション結果より、提案手法によって収束速度が大幅に改善されることが示された。特に、直交座標系を用いた手法が最も優れた性能を発揮することが確認された。
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