本研究では、電気ギター演奏の熟達度を客観的に測定する方法を探索した。2つのグループの電気ギター演奏者(伝説的な演奏者と一般的な演奏者)の音響信号を分析し、以下の知見を得た。
熟達度は、音響信号のエントロピー値の範囲で特徴づけられる。低エントロピー値は単一の周波数成分が卓越した演奏を、高エントロピー値は周波数成分が多様な演奏を示す。
2つのグループの演奏者の信号は、統計的に同様の分布に従うことが明らかになった。つまり、熟達度の高低は客観的な指標であるエントロピー値の範囲で捉えられる。
低エントロピー値の演奏者の信号は指数分布に、高エントロピー値の演奏者の信号はガンマ分布に従うことが分かった。これらの分布の違いは、演奏の多様性の違いを反映している。
以上より、音楽の熟達度はエントロピーに基づいて測定可能であり、演奏者の技術的な多様性を客観的に評価できることが示された。
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