Kernekoncepter
バス上の連続的なコードワード間の平均距離を最小化することで、バス上の遷移数を削減し、エネルギー効率を向上させる最適なバスエンコーディング方式を提案する。
Resumé
本論文では、コンピューターシステムのバスにおいて、エネルギーの大部分が各ラインの電圧を高から低、または低から高に変化させることに費やされることに着目し、バスエンコーディング手法によってエネルギー効率を向上させる方式を提案している。
具体的には以下の内容が示されている:
問題設定: 離散的な無記憶情報源から送信される k ビットのデータを、n ビットのコードワードに変換し、n 本のバス上で送信する。その際、連続するコードワード間の平均ハミング距離を最小化することで、バス上の遷移数を削減し、エネルギー効率を向上させる。
最適なエンコーディング方式: 最適なエンコーダは、2^k 個の最小重み n ビットコードワードからなる最適コードブックを用いて、入力 k ビットを最適なコードワードにマッピングする。これにより、平均距離が最小となる。
実装方式:
最小冗長方式(Data Bus Inversion): k+1 本のバスを用いる方式で、前のコードワードに対して近いコードワードを選択する。
最大冗長方式(PPM0): 2^k-1 本のバスを用いる方式で、重み0または1のコードワードのみを用いる。
症候デコーダ(コセット符号)に基づく実装: 線形符号の症候デコーダを用いて、低重みコードワードを生成する。
組合せ数システムに基づく実装: 組合せ数システムを用いて、MPPM変調器を構成し、最適なコードワードを生成する。
性能評価: k=11の場合の最適エンコーディング方式の性能を示し、従来方式と比較している。
本論文では、バスエンコーディングによるエネルギー効率化のための最適な方式とその実装手法について詳細に検討しており、低電力マイクロプロセッサ設計に有用な知見を提供している。
Statistik
バス長 k=11の場合、最適エンコーディング方式では、無符号化の場合と比べて遷移数を約50%削減できる。