本研究では、大腸菌の腫瘍内コロニー化に伴う生理学的変化を定量的プロテオーム解析により明らかにした。その結果、腫瘍内の大腸菌は鉄欠乏ストレスに適応するため、エンテロバクチン合成経路や鉄ホメオスタシス関連タンパク質の発現が著しく上昇していることが分かった。さらに、宿主が大腸菌のエンテロバクチンを捕捉するタンパク質リポカリン2を誘導することで、大腸菌の鉄獲得能力が阻害されることが示された。
そこで本研究では、大腸菌にIroAクラスターを導入し、グリコシル化されたエンテロバクチンを産生させることで、リポカリン2による捕捉を回避する遺伝子改変株を作製した。この改変株は、リポカリン2に対する耐性が高く、マウス腫瘍モデルにおいて顕著な抗腫瘍活性を示した。さらに、この治療により完全寛解を達成したマウスでは、腫瘍再移植に対する獲得免疫が誘導されていた。
以上の結果から、腫瘍微小環境における鉄獲得能力の向上がバクテリア療法の有効性を高める上で重要であることが明らかになった。本研究は、バクテリアの生理学的適応機構に着目した新たな治療戦略を提示するものである。
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by Huang,S.-W.,... kl. www.biorxiv.org 07-27-2023
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