本研究では、PIK3CAの欠損により誘導される膵がん細胞への強力な免疫応答について解析を行った。
まず、PIK3CA欠損膵がん細胞(αKO)を移植したマウスでは、腫瘍浸潤性T細胞の著明な増加と腫瘍の完全な排除が観察された。この現象の分子メカニズムを解明するため、αKO細胞を用いたゲノムワイドCRISPR遺伝子ノックアウトスクリーニングを行った。その結果、プロピオニルCoAカルボキシラーゼサブユニットB(PCCB)の欠損が、PIK3CA欠損による免疫応答を逆転させ、腫瘍の進行と宿主の死亡を引き起こすことが明らかになった。
PCCB欠損膵がん細胞(p-αKO)では、依然として腫瘍浸潤性T細胞が認められるものの、PD-1、CTLA-4、LAG3などの免疫チェックポイント分子の発現が上昇しており、これらのT細胞は機能的に抑制されていた。しかし、PD-1/PD-L1経路の阻害により、これらの腫瘍浸潤性T細胞が再活性化され、腫瘍の退縮が認められた。
単一細胞RNA-sequencingの解析から、PD-1欠損マウスに移植したp-αKO腫瘍では、より多くの抗腫瘍性エフェクターメモリーT細胞の浸潤が確認された。これらの結果は、PCCBが膵がんの免疫環境を調節し、PD-1/PD-L1経路の阻害によってその抑制的な効果を打破できることを示唆している。
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biorxiv.org
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by Han,H. V., E... kl. www.biorxiv.org 07-26-2023
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